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NO. 1 1 1 刺身の日 8 / 1 5

  • giyaman
  • 2017年8月11日
  • 読了時間: 2分

吾輩は 猫である。名前はまだない。

我が家の主人は 「 さしみ 」なるものが好物であるが、なぜ「 さしみ 」と言われるのか、分かって 食しているんであろうか・・・「 居酒屋の主 」だから知らぬわけはなかろうが、一応調べてみよう。

机の本立てに「 字源 」という革張りの古めかしい辞書を引っ張り出したいのだが、吾輩の指には 鋭い爪があるので、値打ち物の辞書をひっかけて インディアンペーパーを破ったりしないように、細心の注意がいる。

  室町時代 文安5年( 1448 )中原 康富なる人物の日記に「 刺身 」の文字が初めて文書に登場した。=== 鯛なら鯛と分かるように、魚の尾ひれを差しておいたので、「 刺身 」つまり「 さしみなます 」の名の起こり===と ある。

家人たちは、いや 人間どもは 身を食するだけで、ひれなどはみむきもせぬが、ここが一番うまいのだ。  吾輩は 食卓の足の傍らで、両手をそろえ 行儀よく 上目つかいで、その美味いひれが 我が食器のなかへ異動してくるのをじっと待っているのだ。

吾輩も 腹が減っているのに、人の気持ち(猫の気持ち)も知らないで、ぺちゃくちゃ くだらん近所の噂話なぞしながら、ゆっくりと食しておる。( はやく終わらんかい )と小声で叫ばんとするんだが、いかんせん、人間どもには「 にゃ~~ 」としか聞き取れぬらしい。

なんと もどかしいことか。

吾輩としては 毎日が 「 さしみ 」の日であってもよい・・・・。

== 第一章 その三 終 ==  いつかまた 続く。

== 写真 二枚 ==


 
 
 

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