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NO. 1 7 0 読書の秋 陰翳 礼讃( いんえい らいさん )  谷崎 潤一郎


谷崎 潤一郎 氏

秋ですねえ。家の前の公園の ちょっと大きな銀杏の木がそろそろ 見事な黄色い絨毯( じゅうたん )を 敷詰めてくれるのを、心待ちにしている。 そして 木陰がなくなり、地面を光が温かくしてくれる。

「あの人には 翳( かげ )がある.」なんて言葉が、映画の主人公に 用いられることがありますが、実際の影 翳が、日本人の心にどんな影響を与えたか、を 谷崎氏は まだ 電燈がなかった時代と、こんにちとの翳への美意識の違いを論評した随筆を 発表しました。

この随筆には 欧米人の 翳への考え 美意識については 触れてはいないのですが、部屋の照明は 間接照明が多いように、私は感じました。

絵画では 私は ドラクロアのような 強烈な 光と影の絵が好きなんですが、電気のなかった江戸時代などは、油皿や ローソクのだす翳と、心の中に出来る 翳(闇ではない)を、たのしんだのかなあ。

 谷崎氏は 本当の「 雅(みやび)」と言うものを、日本人が知っていたのだと 言いたかったのでしょう。

「 イショウアン 」と 名付けられた(漢字変換できません)谷崎氏の旧宅と 谷崎記念館は 見学できます。特に「イショウアン」は、あの「 細雪 」を 執筆したところでもあります。

ちなみに私は「 影 」のある人間では ありません。

読書の秋  天高く 私肥ゆる秋。


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